透明マントを求めて

透明マントを求めて

著 | 雨宮智宏
1210円 (税込) ※1

ページ数:240ページ
発売日:2014/6/27
ISBN:978-4-7993-1502-6

Product description 商品説明

ディスカヴァーが科学者を応援する「リバネス研究費ディスカヴァー・トゥエンティワン賞」の書籍化第一弾!

透明人間になってみたい。
誰しも一度は考えたことがあるはずだ。その証拠に、被ることで透明になることのできる『透明マント』が、古今東西様々な時代の文献に登場する。その、長らく実現されることのなかった夢の技術に、今、手が届こうとしている……。ただし、ここに至る道程は平坦なものではなく、また、登場人物も多い。ストダーの「マジックショー」(第1章)、ロッキードの「ステルス機」(第2章)、ベセラゴの「負の屈折率」(第3章)、リーマンとアインシュタインの「曲がった空間」(第4章)そして、スミスの「メタマテリアル」(第5章)。本書は、透明マントを探し求めてきた多くの人物の活躍を描いた群像劇を通じて、透明マントの科学的な背景を紹介するものである。

Index 目次

第1章 エンターテインメントとしての透明マント
●透明マントにかけた夢
●物語の中の透明マント
●ハデスの兜
●ニーベルンゲンの歌
●天狗の隠れ蓑
●透明人間の科学的な描写
●姿を消す遺伝子
●映像技術と透明人間
●死角と錯覚
●マジックの原点
●舞台上の奇跡
●透明マントの存在価値とは?
第2章 アメリカの挑戦 ステルス機への道
●戦闘機にとっての透明マント
●軍産複合体の影
●ロッキードの始動
●スカンクワークスの結成
●ステルスの正体
●スカンクワークスの最高傑作
●ステルス機の実力
第3章 ソ連からの提案 共産主義における科学技術
●ソ連から始まる技術
●ウクライナの街中にて
●ソ連科学の始まり
●ソ連科学界の最盛期とアメリカとの戦い
●ソ連の崩壊と科学の崩壊
●ベセラゴの提案
●光の本質
●光の屈折と新物質
●スーパーレンズ
第4章 曲がった空間 リーマン、アインシュタインの贈り物
●1853年の冬の出来事
●天才数学者の道のり
●曲がった空間
●数学で表される空間の概念
●科学革命
●天才の足跡
●神への挑戦
●生涯最高のひらめき
第5章 ついに完成する透明マント
●透明マントへの道
●その研究、まさにノーベル賞級
●負の屈折率を持つ物質
●メタマテリアルへの道
●ものを見ることと、透明になること
●透明を科学する
●奇跡と偶然
●透明マントとメタマテリアル
あとがき

Author description 著者情報

雨宮智宏

東京大学電子工学専攻 博士課程修了。学生時代はワンチップ上に様々な動作を実現する光集積回路に関する研究に従事、現在は光通信において特殊な動作を可能とする光メタマテリアルを研究している。IEEE Photonics Conference Student Paper Award(2007年10月)、IEEE Photonics Society Graduate Student Fellowships(2008年10月)、コニカミノルタ画像科学奨励賞(2013年3月)などを受賞。応用物理学会、IEEE/Photonics Society、Optical Society of America (OSA)、American Physical Society (APS)会員。
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※1 店舗ごとの消費税の端数の計算方法の違いによっては、お会計額に誤差が生じる場合があります。