時代を先読みし、チャンスを生み出す未来予測の技法

時代を先読みし、チャンスを生み出す未来予測の技法

著 | 佐藤航陽
1650円 (税込) ※1

ページ数:184ページ
発売日:2018/1/26
ISBN:978-4-7993-2211-6

Product description 商品説明

「飛行機の実現までには百万年から一千万年はかかるだろう」
 ニューヨーク・タイムズがこの記事を掲載してわずか数週間後、ライト兄弟は人類で初めて空を飛び、この予測を覆しました。
 一流紙でジャーナリストを務めるほどのエリートが、なぜそんなことを自信満々に書けたのだろうと、当時の人々は笑いました。
 しかし、彼らもまた、こう考えていました。
「宇宙船? そんなものは夢のまた夢だ」

 現代を生きる私たちも、未来を見誤るという意味では、宇宙船を夢と考えた人たちを笑うことはできません。
 現在日本で2800万(2017年9月)を超えるユーザー数を誇るFacebook ですが、「実名登録なんて日本でははやらない」と言われていたのは、ほんの数年前のことです。
 今では多くの人が使っているiPhone にしても、発売当初は「おサイフケータイが使えない」「赤外線がないなんてありえない」などの理由から、はやらないという意見が多数派でした。

 これから私たちの社会がどう変化していくのかは、今の社会を真剣に眺めるだけではわかりません。巷にあふれる未来予測本を読んでも、わかることはないでしょう。私たちはいつも未来を予測し、そして外し続けてきました。人間は本来、未来を見誤るものなのです。

 私たちの多くは、今目の前で起きていることからしか将来のことを考えることができません。しかし、現在の景色という「点」だけから行う未来予測は、だいたいにおいて外れます。
 なぜなら、その一点においてでさえ、現実世界は膨大な要素にあふれているからです。それらが互いに複雑に影響し合って社会を発展させているのですが、それらをすべて把握することは、人間の脳というハードウェアの性能では、まず不可能なのです。

 一方で、驚くほどの先見性を発揮して大きなリターンを得る人が稀にいます。
 たとえば、スティーブ・ジョブズは1980年代、当時30代だったころから、すでに個人がスマートフォンを持つ未来を予言し、それを自分の手で実現させることを決めていました。

 彼らはどのようにして「線」を見ているのだろうか。その思考法を汎用性のあるロジックとして整理できれば、ビジネスを進めるうえで大きなメリットになる。そう考えて、これまで自分なりに探究を続けてきました。

 本書では、そこで見出すことができた技法をお伝えしたいと思います。

※ 本書は、2015年に小社より刊行された『未来に先回りする思考法』を再編集・改定したものです。

Index 目次

はじめに
 国家の未来
  領土の重要性が低下する
  当面、国民は「形式的に」国家に所属し続ける
  国家の権力が、企業に脅かされる
  そして、新しい国家のあり方が生まれる
 政治の未来
  選挙と議会が中抜されるようになる
  国家にも経営戦略が必要となる

第1章 未来に先回りしたものだけが勝ち残る
 未来予測はなぜ難しいのか?
 私たちの多くは、未来を見誤る
 プライベートエクイティからベンチャーキャピタルへ
 テクノロジーの進歩は、起業家や投資家すらも置き去りにしつつある
 予測が難しいからこそ、強力な武器になる
 「予測できないからリーンスタートアップ」は間違っている
 適切なときに適切な場所にいることが、リターンを生む
 うまく未来を予測している人は、点ではなく線で考えている
 未来予測の鍵は「パターン」
 繰り返し描かれるパターンから未来を予測する
 人間社会はパターンの塊
 感情にすらパターンがある
 パターンを信じてAndroidに投資
 予測の次は、タイミングの見極め
 タイミングがすべてを決める
 リソースを調達し、タイミングを見極める
 タイミングは、周囲の人の反応が教えてくれる
第2章 未来予測の技法
 常に原理から考える
 すべては「必要性」からはじまる
 イノベーションの正体
 テクノロジーの進歩と
 社会の変化に潜むパターン
 パターン1 あらゆるもののエントロピーは増大する
 パターン2 あらゆるものに知性が宿る
  まずはあらゆるところにセンサーが
  センサーから知能へ
  意思決定が省略される
  モノに宿るは人工知能の知性
 パターン3 ネットワークはピラミッド型からはじまり、ハブ型、そして分散型へ
  1 )ピラミッド型の封建社会
  2 )ハブ型の近代社会
  3 )分散型の現代社会
  社会が変化するスピードは①消費者 ②法人 ③行政・司法
 パターン4 テクノロジーは人間を拡張する
  人工知能は私たち人間を再定義する
 パターン5 テクノロジーは私たちを教育しはじめる
 パターン6 テクノロジーは掌から宇宙へと広がっていく
  宇宙産業と融合するインターネット
 パターン7 テクノロジーは境界線を溶かしていく
  1 )国家と企業の境界線
  2 )社内と社外の境界線
  3 )自分と他人の境界線
 パターン8 テクノロジーはすべてを無料に近づける
  企業によるベーシック・インカム
 パターン9 テクノロジーが出した答えを理解できなくなる
  合理性vs不確実性
 パターンはビジネスの世界から見えてくる
 自らパターンを見出すには行動あるのみ
 すべての企業の「目的地」はひとつ
おわりに

Author description 著者情報

佐藤航陽

福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年に株式会社メタップスを設立し、代表取締役に就任。2011年にアプリ収益化支援事業を開始、世界8拠点に事業を拡大。2013年より決済サービスを立ち上げる。2015年にマザーズに上場・累計100億円以上の資金調達を実施し、年商100億円以上のグローバル企業に成長させる。フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「20 Under 30 Asia」などに選出。2017年には時間を売買する「タイムバンク」のサービス立ち上げに従事。宇宙産業への投資を目的とした株式会社スペースデータの代表も兼務。著書に『お金2.0』(幻冬舎)がある。
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