安楽死か 尊厳死か

安楽死か 尊厳死か

著 | 大鐘稔彦
1210円 (税込) ※1

ページ数:296ページ
発売日:2018/9/26
ISBN:978-4-7993-2364-9

Product description 商品説明

終末期の延命治療を望まない尊厳死を宣言する人が増えてきた一方で、終末期の苦しみを見かねた患者の家族の懇願を受けて安楽死に導いた医師が殺人罪で起訴される。あるいは自分の意識があるうちにと自死を選ぶ人もいる。
安楽死と尊厳死はどう違うのか? 尊厳死と自死はどう違うのか? 諸外国の状況は? 

かつて日本でも数少ないホスピスを併設した病院を友人の医師と共につくり、多くの患者さんの生死に向き合ってきた伝説の名外科医であり、後期高齢者となった今も、公立の診療所で地域医療に務める著者が、安楽死と尊厳死を巡るさまざまな課題、当事者の葛藤などを、自らの死生観も含め、臨床の場にいた者でなければ書けない多様な視点から語り尽くす。 

Index 目次

第一章 限りある生 
人間は、無期執行猶予の死刑囚/不老長寿は人類永遠の見果てぬ夢 
第二章 死に至る病  
死に至る病/死に至る病との壮絶な戦いを生きる勇敢な人たち
第三章 自殺を巡る考察 
死に思いを馳せるのは人間の特権?/メフィストフェレスの声/ある女性と叔父の自殺 
第四章 癌の告知は自殺の引き金か?
癌告知がタブーだった時代/告知から受容までの五段階/治療の順序を誤ると悲劇を招く
第五章 覚悟を秘めた自殺
おまけの人生は要らない(?)/ソクラテスの場合/伊丹十三の場合/三島由紀夫の場合
第六章 許される自死はあるか?
レイプされた女性の自死/〝天刑病〟ならぬ〝悪病〟のはずだったが
第七章 尊厳死と安楽死
尊厳死と安楽死、どう違うのか?/〝近藤理論〟は現代の〝姥捨論〟/昭和天皇は尊厳死できなかった?
第八章 ホスピスと尊厳死
「ここは天国です」ホスピスのはじまり/ホスピスの功罪
第九章 積極的安楽死は殺人罪?
「尊厳死の宣告書」/殺人罪で起訴された医師/『わたしがしたことは殺人ですか?』  
第十章 諸外国に見る安楽死
「スイスで安楽死したい」/尊厳死と安楽死の違い
第十一章 回復の望めない病と安楽死
その望みはかなえてやるべきか……?/自死と紛らわしい〝尊厳死〟。アメリカの場合  
/四肢麻痺にはなったが……/認知症は安楽死の対象外?/認知症も安楽死の適応に入れているオランダの場合
第十二章 飽くなき生への希求
癌との闘い/生への渇望

Author description 著者情報

大鐘稔彦

1943年愛知県生まれ。1968年京都大学医学部卒。母校の関連病院を経て、1977年上京。民間病院の外科部長、院長を歴任。その間に「日本の医療を良くする会」を起会、関東で初のホスピス病棟を備えた病院の創設や、手術の公開など先駆的医療を行う。「エホバの証人」の無輸血手術68件を含む約6千件の手術経験を経て、1999年に30年執ってきたメスを置き、南あわじ市の公的診療所に着任。地域医療に従事して今日に至る
医学専門書のほか、2015年には、「ガンは放置してよい」と、外科手術・抗癌剤・癌検診を批判する『患者よ、がんと闘うな』『医者に殺されない47の心得』の近藤誠医師の極論を信じ込んだために、治癒や延命の見込みがあるにもかかわらず、ガン治療を諦めてしまう患者が増加していることを憂慮し、豊富な症例を基に反論する『そのガン、放置しますか?』(ディスカヴァー)を上梓。
一方、170万部のミリオンセラーとなり映画化もされた、アウトサイダーの外科医を主人公とした『孤高のメス(全13巻)』(幻冬舎文庫)の著者としてベストセラー作家としての顔も持つ。シリーズ新作は、2019年早々、WOWOW放映予定。
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