蔦屋重三郎の慧眼

蔦屋重三郎の慧眼

著 | 車浮代
1485円 (税込) ※1

発売日:2025/2/21
ISBN:978-4-7993-3123-1

Product description 商品説明

まわりを巻き込み、予想を裏切れ。
2025年大河ドラマ「べらぼう」の主人公・蔦重が
大人気エッセンシャルシリーズに登場!


「蔦重」のセンス、ビジネス、生き様が
短い言葉で、わかりやすく学べる!


歌麿、写楽、北斎、曲亭馬琴、十返舎一九……
日本が世界に誇る浮世絵をプロデュースし、
マンガの源流となるコンテンツを売り出した男。

本書は、そのエッセンスをぎゅっと
「1ページ読み切り」の形式でまとめています。

その言葉に、その行動に、胸が震える!
大河を見て蔦重の生き方に感動したら、ぜひ、手にとってほしい。


手のひらに、蔦重の生き様をーー。

著者は、総合印刷会社でアートディレクター、デザイナーのキャリアののち、
小説家へと転身した車 浮代(代表作品は『蔦重の教え』)。

現代の印刷技術について知見があり、
江戸の文化、浮世絵を深く理解している著者ならではの視点だから面白い!

<「はじめに」より抜粋>
浮世絵師は、江戸時代だけで千二百人ほどいたといわれる。
なかでも、浮世絵師四天王と呼ばれるのは、
喜多川歌麿、葛飾北斎、東洲斎写楽、歌川広重の四人だ。

そのうちの三人のプロデュースに蔦重が関わっている。
彼のプロデュース力が、いかに抜きん出ているかがわかるだろう。
(ちなみに、あとの一人の歌川広重は、蔦重が亡くなった年に生まれているので関わりようがない。)

ただ、プロデューサーという影の立場だからか、
蔦重の名はなかなか後世には知られていなかった。
かくいう私も、本格的に浮世絵について学びたいと考えた二十代後半まで、
蔦重の名前どころか、江戸時代に版元という業態があったことも知らなかった

かつて大阪の総合印刷会社でアートディレクターをしていた私は、
クライアントの美術館が開催した『大浮世絵展』で、東京から招いた摺師の方の実演を見て、
初めて浮世絵版画が摺られていく工程を知った。

摺師の方が話される様子は、下町の職人言葉で時代劇そのもの。
江戸っ子口調で、絵具や馬連の作り方、ドーサ引きの方法などを解説しながら、
喜多川歌麿の「ビードロを吹く女」が摺られていく。
そのさまは「これぞ職人技!」と思える鮮やかなものだった。

何色摺り重ねても色がずれない。
そうした摺師の仕事もさることながら、一ミリの間に三本という、
女性の髪の生え際の細かな線を彫り残す、彫師の超絶技巧にも痺れた。

浮世絵の過程に、近代の印刷工程との類似点をたくさん発見した私は、
すっかり浮世絵の虜になった。
やがて世界的名作の多くが、蔦屋重三郎が興した版元・
蔦屋耕書堂から刊行されていたことに気づき、がぜん彼に興味が湧いた。

蔦重が見出し、スターにした喜多川歌麿。
わずか十か月の活動期間ながら、強烈な印象を残した写楽。
スターになる前に面倒を見ていた葛飾北斎は、蔦重の死後、やはり彼が面倒を見ていた
曲亭馬琴とのタッグによりベストセラーを生み、大絵師と大作家に上り詰めた。
馬琴の『南総里見八犬伝』はあまりにも有名だ。
その馬琴と、やはり蔦屋に寄宿していた十返舎一九は、
蔦重が日本で初めて執筆料制度を作ったことにより、
文筆業だけで生計が立てられる作家となった。
おかげで一九が『東海道中膝栗毛』という大作を生み出すことができたと言えるのではないか。

狂歌絵本や黄表紙は、イラストが主体であり、いまでいうライトノベル。漫画の源流でもある。
日本がいまや世界に誇るコンテンツの大本となる文化を江戸時代につくったのも、蔦重なのだ。

蔦屋重三郎が「江戸のメディア王」や「名プロデューサー」などと讃えられるのは、
版元として、以下のすべての能力が突出していたからである。

企画力、クリエイターの育成と人選、編集、職人選びと木版印刷、製本、広報、営業、販売



蔦屋重三郎の慧眼、ビジネス、人間関係、生き様がわかる一冊!

「好きを磨いてこそ、才能は輝く」
「本質的な願望を見抜く」
「誰が何をすれば、世の人々が驚くか」
「いままでのやり方に縛られてはいけない」

<購入者特典付き!>
「浮世絵+メッセージ」の画像をダウンロードできます!

Index 目次

Ⅰ 慧眼
Ⅱ 商売
Ⅲ 人間関係
Ⅳ 生き様
Ⅴ 色と通
Ⅵ 時代
Ⅶ 超訳・蔦屋重三郎の言葉

Author description 著者情報

車浮代

時代小説家/江戸料理文化研究家。
1964年大阪生まれ。大阪芸術大学卒業後、東洋紙業でアートディレクター、セイコーエプソンでデザイナーを務める。
その後、第18回シナリオ作家協会「大伴昌司賞」大賞受賞をきっかけに会社員から転身、映画監督・新藤兼人氏に師事し、シナリオを学ぶ。現在は作家の柘いつか氏に師事。
ベストセラーとなった小説『蔦重の教え』(飛鳥新社/双葉文庫)と続編の『蔦重の矜持』(双葉社)のほか、『Art of 蔦重』(笠間書院)、『居酒屋 蔦重』(ORANGE PAGE MOOK)、『蔦屋重三郎と江戸文化を創った13人』(PHP文庫)など、著書多数。
江戸時代の料理の研究、再現(1200種類以上)と、江戸文化に関する講演、NHK「チコちゃんに叱られる!」「美の壺」「知恵泉」「歴史探偵」等のTV出演やラジオ出演多数。
2024年春、江戸風レンタルスタジオ「うきよの台所 ─Ukiyo’s Kitchen─」をオープン。江戸料理の動画配信も行っている。
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