自分の〈ことば〉をつくる

自分の〈ことば〉をつくる

著 | 細川英雄
1100円 (税込) ※1

発売日:2021/8/20
ISBN:978-4-7993-2775-3

Product description 商品説明

今、あなたは、何かを表現するために、その方法を求めようとしています。
では、あなたが何かを表現しようとするとき、もっとも重要なことは何でしょうか。それは、「自分の〈ことば〉をつくる」ということです。
言い換えれば、あなたでなければできないことを表現するということでもあります。少し大げさに言えば、あなたという存在の生きる意味を追求することともつながっています。
自分の〈ことば〉をつくるためには、自分の中にあることば(考えていること)をどのようにして自覚するかということと、そのことばをどのようにして他者に伝えることば(表現)にするかの二つがポイントとなります。つまり、「考えていること」を「ことば」にする表現のあり方が問われるからです。
あなた自身が考えていることを相手に伝えるためには、あなた自身の〈ことば〉の中身が不可欠です。その中身とは、あなたにしか語れないことであり、あなたの全存在を賭けて相手に問いかけるものであるとも言えるでしょう。この、あなたにしか語れないことを、この本では「自分のテーマ」と呼びます。
あなたは、自分にしか語れないことをあなたのことばで発信することが必要なのです。あなた自身の考えていることをあなたのことばによって自分のテーマとして相手に伝えるための表現という活動をはじめてみませんか。これが、この本のめざすところです。
この本は、自分のテーマを自分のことばで語る力を身につけたいと考えるすべての人のためにあります。

Index 目次

第1章 自分のテーマを発見する
 1自分のテーマとは何か
  テーマとオリジナリティ〜テーマを発見するための手順
  自分のオリジナリティを出す
  世界にたった一人の自分
  オリジナリティはどこにあるのか
  オリジナリティはやりとりの中から生まれる
  オリジナリティのもとは自分の「好き」
  コラム1 思ったことを感じたまま表現していい
 2「好き」から問題意識へ
  自分の興味•関心とは何か
  興味・関心から問題関心へ
  問題関心から問題意識へ
  経験からテーマへ
  経験のポートフォリオ化
  経験との対話
  自己表現はキャリア形成そのもの
  コラム2 「りんごが好き」は自分のテーマになるか 
 3「なぜ」を問う意味
  自分の「言いたいこと」を見つける「なぜ」
  「なぜ」を掘り起こす
  主張のオリジナリティとは何か
  自分の考えをつかみ相手に伝える
  論理をともにすることの意味
  コラム3 バイオグラフィとは何か〜語るための中身

第2章 自分のテーマを表現する
 1「内言」をどう「外言」化するか
  「考えること」と「表現すること」の関係
  「感じる」「思う」から「考える」へ
  インターアクションという相互行為の意味
  コラム4 「内容」か「形式」か
 2〈私〉をくぐらせる─「自分の問題として捉える」ということ
  トピックとテーマの関係
  トピックについて自分のことばで語る
  自分ごととして表現するには
  〈私〉をくぐらせる─「自分の問題として捉える」ということ
  コラム5 情報あっての「私」、「私」あっての情報
 3テーマと主張
  「自分の考えを出す」ための視点
  表現によって他者を説得できるか
  表現の方法に標準モデルはない
  コラム6 「正しさ」という幻想

第3章 自分のテーマで対話する
 1主張と対話
  テーマと主張は、問いと答えである
  対話としての表現活動
  対話のレッスン
  対話は一回かぎりではない
  思考と表現はスパイラル
  「鳥になる自由」の感覚をつかむ
  だれのために「書く」のか
  コラム7 エッセイとレポートはどう違う〜他者を意識した表現活動へ
 2自分の主張とは何か
  表現活動のプロセスと構成
  表現の構成について
  すべてが言えるわけではない
  表現活動の枠組みを振り返る
  自分の表現を公開するということ
  協働で考える環境をつくる
 
  普遍的な知の構築をめざして
  コラム8 言語、言葉、ことば〜世界にあることばとは何か
 3社会をつくる個人として
  生きる目的としてのテーマ
  表現することによって人は何ができるのか
  表現は、社会にアクセスするための切り口
  生活・仕事の中の表現へ
  生活・仕事と表現を結ぶために
  経験を公開することの意味
  個人と組織の対話
  社会をつくる個人として
  コラム9 モノローグ(独り言)からダイアローグ(対話)へ

エピソード 自分のことばで語るときまで〜千葉くんの挑戦

Author description 著者情報

細川英雄

1949年東京生まれ。早稲田大学名誉教授(大学院日本語教育研究科)。博士(教育学)。専門は言語文化教育学。言語文化教育研究所八ヶ岳アカデメイア主宰。ことばと文化の教育をめぐる市民性形成とwell-being (よく生きる)をめざした言語教育の理論と実践について研究。著書に『日本語教育は何をめざすか』(明石書店、2002年)、『「ことばの市民」になる』(ココ出版、2012年)、『対話をデザインする』(ちくま新書、2019年)など、多数。http://gbki.org/
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